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見た事、聞いたこと、思ったことのメモ。

自分の自意識とぶつかった〜ワークショップ「ラポールと身体知」に参加してわかったこと

高石宏祐さんが講師を務められている、「ラポールと身体知」に参加してきた。


大切な人を大切にしたいけれど、どうもうまくできない。初詣で神社で祈ってしまう程、どうしたらいいかわからない。もっと開いて委ねて信じたい。そのために自分のことをもっとよく知りたい、というのが参加理由だったように思う。人に開くこと、体を触れ合わせることでできることがある、というのは最近出会った人が気付かせてくれたこと。


講座にはいろんな理由で来た方がいた。高石さんは「ここにくれば何か解決できる」と思っている人、講座を特効薬的に考えていそうな人、依存していまいそうな人は、「どうして来たのか、自分は何がしたいのか」という目的を問うて認識させていた。


講座の中で、私は自分の自意識にぶつかって、とても苦しくなった。自分のくだらない自意識で、開ききることができない自分が嫌という程よくわかって、もう、途中からしょんぼりしてしまった。


こんなところに来てまで、良く思われたいとか人とは少し違う自分でいたいとかうまくやりたいとか、そういうくだらないことを捨てきれない自分が本当に嫌で、恥ずかしかった。


高石さんは、なにかひとつ終わる度に、感想を参加者に聞いてくれたが、わたしは、自分に幻滅して下を向いてぼそぼそ答えることしかできなかった。

  • 結局他人の目がとても気になっていること、特別な人間になりたいと思っていること
  • 「相手のことを考えてると思われたい」と思っている=「結局自分が良く思われたい」と思っているだけなので、それが捨てられないと、いつまでも相手のことなんて考えられないということ
  • 相手を感じようとしない、受け入れようとしない、見ようとしないで、先走って突っ走ってしまうこと
  • 一方的にばーんと委ねることは得意だが、相手を受け入れること、自分の内部に入ることが全くできないこと


ということがよくわかった。悔しいけどこれがいまのわたし。


「以前よりも克服できた」、と勘違いしていた部分だから、とてもショックだった。ちゃんと、自分と向き合っていこう。

セックスワークサミット2013@歌舞伎町に参加しました

7月29日に開催されたセックスワークサミット2013@歌舞伎町に参加してきました。NPO法人ホワイトハンズさん主催です。

シノドスで紹介されていた記事で前回のセックスワークサミットに関心を持ったこと、自分のまわりには「風俗で働く」ということがあたり前に選択肢に入っている人、とんでもなく蔑視する人の両方がいて違和感を感じていたこと、とても重要で切り離せないものなのにどうして後ろ暗いものになってしまうのか、ということをもやもやっと考えていたので参加してきました。

セックスワークで稼ぐのは難しい?

テーマは『セックスワークで食う』 ~「裸になるだけでは、もう食えない時代」を、サバイバルするための方法~。

第一部では「職業としてのAV女優」著者の中村敦彦さん、SWASH要友紀子さんの講演。
中村敦彦さんの講演では主にデフレ化するセックスワークについて。容姿やスタイルによほど恵まれていないともはやセックスワークで稼ぐのは難しく、そもそもAVや風俗で採用してもらえない、仕事がとれないという現実があるということを話されました。

要友紀子さんの講演では、風俗嬢の仕事を安定させ、健康と安全を確保できるような当事者、経営者、社会、民間などそれぞれのステークホルダーからできることについての提案がありました。

■誰のため、なんのための議論なのか

第二部の「食う」ための、ケーススタディ分析は、これは誰のための議論でなんのために稼がなくてはならないのか、「稼ぐ」とはどういうことか、どうして「セックス」なのかが十分に定義されていないように思いました。わたしは以下のような疑問を溢れ返らせながらお話を聞いていました。


・現在セックスワークで従事している人がより安全に働くためなのか、これからセックスワークの世界に飛び込もうとしている人のためなのか、年齢が高くなってしまった女性が稼ぐためなのか?

・80年代に比べて相当デフレ化が進み、裸の価値(これは計れないけれど)に見合っていないとしても、ケーススタディを通してみると、普通のアルバイトよりは稼げる。では、「稼げる」とはどういうことなのか?何と比べているのか?

・どうしてセックスワークで稼がなくてはならないのか?セックスワークが稼げないのだったら、「どうしたらセックスワークで稼げるか」ではなくて、もっとリスクが少ない職業や、セックスワーク以外でどうやって稼ぐのかということを考えた方がいいのでは?

■困窮者対策とセックスワークを切り離す

第三部の質疑がとても参考になりました。「セックスワークが社会や行政が引き受けるべき困窮問題のセーフティネットとして考えられてしまっている」というところで少しストンと落ちました。

困窮問題のセーフティネットとして考えていると、風俗に関わりのない人から見て、だめな人たちが作っている世界に見えてしまう。困窮者対策とは分けて、セックスワークへの偏見やイメージを変えていくということが必要だという意見。また、歴史的な風俗に対する意識の変化についても話を伺えたのが勉強になりました。社会の変化、セックスワークの役割の変化やその原因を踏まえてどこにアプローチできるのかを考えてみたい。

性愛への期待値が非常に下がっている中で、心を閉じて接客して自分の体が消費されすり減っていく、抜け出したいけど抜け出せない場所ではなくて、誇りや志を持って働けて心を開いてサービスする、愛をイメージできるところへ導く風俗、という話も興味深かったです。

2月22日追記

シノドスにサミットでの要さんのお話の抄録がアップされていました。

日本の技術とアイデアを海外で生かす枠組み

『「膨張するアジア」”最貧国”バングラデシュ』という番組のビデオを見ました。ちょっと古いけれども。

鉄道の整備が進んでいないため、「バス」が主な交通手段となっているバングラデシュ。許可なく路上でバスチケットを販売していたため、バス停での乗り降りに時間がかかり、事故や渋滞の原因にもなっている。また、システムが確立していないため「カオス」状態なので、チケット販売員がお金を着服することも多いそうです。


そこで、エヌ・ウェーブという会社がSonyフェリカの技術を使って、日本のPOSMO/SUICAのシステムを導入しようとバングラデシュに乗り出しました。これによって、「交通渋滞の緩和」と「交通安全」に貢献、売り上げの明確化によってチケット販売員の不正を防ぐこともできるようになるそうです。実際にシステム導入後は効率が上がり、45%も売り上げがアップ。


きっかけはバングラデシュ人をたまたま雇用したから。それを、JICAの有償技術協力のスキームでパイロット事業として採択、実施に至ったそうです。


番組の中には、ICカードとリーダーが税関から数ヶ月出てこなくて事業予定が崩れたりというエピソードなんかもあって、企業の海外進出はやっぱりリスクが高いけど、海外へのインフラ輸出への公的資金の活用が進んできて、エヌ・ウェーブのような中小企業もODAの枠組みで事業を行うことができるようになったんですね。


エヌ・ウェーブは、「BOPビジネス」で押してるけど、先生がJICAの方に聞いたところ、「BOPビジネス促進の観点からの支援案件ではない」としているとのこと。もともとは、ダッカの交通渋滞について多角的な対応が必要と認識して支援を検討した外務省とJICAが渋滞緩和と経営改善のための料金効率化のプロジェクトを行う企業を公募して、応募したのがエヌ・ウェーブだそうです。


JICAの海外投融資、企業提案に対するODAの解禁、円借款の迅速化、JBICの分離独立、貿易保険の範囲拡大とか、どんどん進んできたけれど、こういう融資が受けられる枠組みが広がれば、国際協力の分野でベンチャーがぴょんぴょん出すアイデアもいろいろ実現していけそうです〜

KDDIの情報通信技術を活用したCSR〜JICAのセミナーに行ってきました

2月23日にJICA地球広場で行われたセミナーに研究会のお友達と参加してきました。そのメモ。
タイトルは、CSR関連セミナー「豊かなコミュニケーションによる国際社会の発展―情報通信技術を活用して、笑顔を―」

先日JICA広報の方のお話を聞く機会がありました。JICAもツイッター始め、ITを推進するイベントも増えてきたようです。公的機関が国際協力とソーシャル、ITなどの分野に乗り出すのはまだまだとても険しいみちのりがあるようだったので、大企業が行なう情報通信技術を活用したCSRというのはどんなものだろうと思って参加しました。

講師はKDDI財団 国際協力部 次長の内山 洋祐さん。KDDIが行っている国際協力活動についてお話していただきました。話を伺った限りでは、確かにやらないよりはやった方が良いかもしれないがKDDICSRは目的不在(あるいは薄い)という感じで突っ込みどころが多く、資金の使い方がもったいないと思いました。

KDDICSR

CSR活動というところでいろんな国際協力プロジェクトをおこしているが、企業なのでお金を設けなければいけないので、単に貢献するのではなくCSRの基本のところがある、と前置きがあった上でKDDIが行っているのは情報通信技術を活用するプロジェクトについて説明いただきました。

行っている内容は海外研修生受付、現職参加で青年海外協力隊(会社に籍を置いたまま協力隊にいける)、ODAのコンサル、通信インフラプロジェクト、カンボジアで学校を建てる・・・などなど。目的は昔は通信状況の改善、いまはデジタルデバイドの改善だそうです。途上国と先進国の間でもあるが、日本の中では格差が生じている。国際協力としては、途上国の中で情報を持つ人、持たない人、その格差をなくしたい、と考えているそうです。いろんなビジネスをやるなかで会社に国際協力のお金はさいてもらえない。いろいろな機関や仲間とやるプロジェクトで、「日本はあたえて向こうはもらう」ではなく、一緒になにかをやって成果をあげようというところで、国際機関からの支援を受けたり、開発途上国の人びととともにとりくんでいるとのこと。


2002年以降たくさんのプロジェクトをつくってきて、インターネットをなかなかひけないミクロネシアの島に会社の中古品のパソコンを入れて、サーバーを作って速度をあげてインターネットが使えるようにすること、インドネシアと太平洋の東西1000キロの回線をつなぐ、などの情報環境づくりなどがあるそうです。他にも視覚障害者のためのICT、大学やWiMaxとの連携など、フィリピン、カンボジアベトナムなどなどで様々な主体と協力して、たしかに多様なプロジェクトを行っているようでした。

質問と回答

デジタルデバイドの是正にとりくんでいるということだったが、途上国ではどのような情報が不足していて、どのような情報が求められているのか
ーいろいろな情報。まずはインターネット基盤を、インターネットやりたい人がいる。見れるということが大事。


援助する場所は調査をしてから実施しているのか
ー人とのつながりで。相手をみつけるのが難しい。そのうちに相手国からこういうことやりたいというのを言ってくるようになった。それを聞きつけた他の国から声がかかるようになった。モチベーションがないと続かないことだから。


現在実施されているのはアジアだが、その他の地域への活動の予定は。
ー今やっているのは、アジア太平洋を中心にやっている。アフリカは遠い。アフリカでのプロジェクトの費用を捻出するのが難しい。中近東はまだ到達していない。国際会議にでている。イランなどにいって、こういうことをやっているという報告をしていて、こういうことならできるのではという提案もしているが、資金などいろいろな障害がある。


事業を行ったときの自立発展性。KDDIの支援がなくなったときにどうやって引き継がれていくのか
ーお金と人をずっとつけていきたいが、わりきらなくてはいけない。単年度決算でやるので、1年ベースで考えなければいけない。最長で1年。課題としては、どういう風にやっていくか。
できるだけ相手国に頑張って欲しいが、お金を集めることや、人を勉強させるのも厳しいという状況。継続性を高めていくということ、何回かにわけて、新しいことをやろうという風に考えながらやっている。


・ネガティブなインパクトは発生したのか
ー中古パソコンなら何でもいいという考えがあるが、低機能のパソコンをもっていってもゴミになるだけ。そういう面も考えなければいけない。そういうのは難しいところ。あと、継続性の問題があるが、私たちがはずれても続けられるプロジェクトにしたい。けど難しい。


・現職参加制度について。現職参加制度を毎年とっているのか、どのような部からでているのか

ー昔から一応あったが、KDDIは借金がかなりあったので、国際協力も萎んでしまっていた。だんだん盛り上がってきた。具体的にはKDDIでJICAと覚え書きを結び、会社に籍をおいたまま2年間青年海外協力隊とかに派遣する。必ず春、秋に自立性にもとづいて募集している。受けたいという人がいると会社がバックアップする。必ずしもいつもあるわけではなく、やりたいという人がいるとだす。今のところ毎年数人。


・パソコン設置して、インターネット通じるようにするということだがインターネットの使用量は。
ーいつももめるところで、それはケースバイケース。ミクロネシアの場合は政府が払うということを決めた。どれくらいの値段かも交渉した。NGOがインターネット回線をもっているところはそこにお願いしたり、そこから一番近いアクセスポイントから無線LANをのばしたりして使う。現地側と使用者にあわせる。日本ではインターネット自体は安い。途上国は昔だと、普通のひとじゃ払えないような料金。そういうときはむこうの政府にお願い。安くなってくれば自分たちで払うでしょうし。インターネットよりパソコンの修理とかの方が問題。誰がするのかとか。KDDIは最初の1年間だけタッチして、あとはやってくれとしている。フィードバックを聞いて、交渉するときもある。


無線LANを設置したあとのメンテナンスや使い方の指導で一年間にどれくらい現地にいるのか
ーほとんど行かない。1年に一回とか。違うプロジェクトをたてながら。経験つんでくるとどこのメーカーの何が壊れるとかだいたいわかってくるので、カンボジアだとなるべく壊れない機械にするなど。フィードバックにもとづいて全部考えている。


デジタルディバイドの改善によって実質的な改善によって実質的な経済効果や生活の改善を数字で表せるのか
ーないです。今のところ数字的評価はでない。寂しいところ。


・経済的な効果をみこんで、これから頑張っていくという考えで行っているのか。

CSRの中の国際協力活動は、ボランティアではないので、その後に何かのビジネスになることではないといけない。ビジネスでいいことをやっても最後は人間関係なので、良い人間関係で貢献するとか、評価や結果が出ないものではだめ。日本のことをもっとしって自分のアイデンティティをもっともってやることである。


他の会社もやっていると思うが、一緒に活動していて、ここは取り込めるんじゃないかと他の会社から学んだことはないか。国内のことでも。
ーいろんなことでもこういうことできる。みんな笑顔になっているけど、通信ができて、インターネットができるから笑顔になったと思う。コミュニケーションができる。通信、情報はツールでしかない。それを使ってどうするか。それはいろんな会社がいろんなものをもっている。何でもありと思う。そういう意味ではどうしようかと思う。お互いできることをやる。実行すること。ビジネスとしてやれば別だが、そうでない場合は人間関係がないとだめ。


プロジェクトが1年ごとで単発ということだが、今後今までのプロジェクトを複合して何かやったりとかフィードバックをうけて同じところで発展させたり何かをやるという展望は。
ー何でもありだと思います。モチベーションがあって、一緒にやっていくという気持ちが大事だと思う。


確認、先ほど道具といいましたが、ちょっとラッキーなところは、情報通信という発展は早い。インターネットの機会は1年くらいで変えちゃう。そういう風なので、3年くらいたてば消えて次の何かをやりたいなということがあるので、新陳代謝があるので、10年くらい継続するという必要がないと思います。どう思いますか?
ー新しいプロジェクトにつなげていくという動きがだいじだと思います。使い方とかわからないこともあると思うんですけれども自分で考えるのが楽しいと思います。つくっているときも楽しいと思うので。


CSRとして国際協力活動をしている会社と共同で大きなプロジェクトをやる予定はあるのか
ー大きいプロジェクトはビジネスという形以外では考えていない。道具をつかっていろんな企業と一緒にやっていきたいが、競争会社とも一緒にやっていきたいとおもっている。
NGOも使っているし、一緒にやってる。企業は今大変でやりたいけど、お金をどうやって、人を出せるかというのが一番大変なところかと思う。KDDIは人も出している。そぜんぜんもしそういう企業があれば教えて頂ければ。


・ハブでつなぎなおすところ、アメリカなど他の国の会社とやっているのか。
ープロジェクトをやっている会社とはやっている。プロジェクトをやるとき、誰でも引きづりこむ。そういう方が一緒にやろうといってくれたり。どんどん一緒にやっている。


・予算規模はどれくらいか
ー担当じゃないので、正確かはわかりません。国際協力に対するというのはわからない。人件費をいれるとかなりのお金になる。ものに対してのお金はそんなに多くない。どこの企業にもできる程度。人件費と、他から資金を得ているので、そういうのをいれるとどうか。


・事後評価の評価基準は
ー評価についてはどっかの会社にたのんでいると思うが、ちょっとお答えできない。


・外部評価はJICAなどのものははいっているのか
ー外部評価、CSRの部署ではないので、わからない。


・プロジェクトがプロジェクトとしていろいろなところで行われて、その後でビジネスチャンスがみえてくるということがあるのでは。プロジェクトを通じてビジネスに繋がった事例は。
ーこれだけいろいろな人間関係があるので、直接じゃなくても、どこかの国にいってビジネスで誰かに会いたいというときにこの連携ですぐにアポイントをとることがだいたいの国でできる。
大きな会社なので、ビジネスという点ではしゃべれないということもありますが、ビジネスというのは、人間関係なので。
具体的な例ではモンゴルの大きな会社。モンゴルにコンサルティングなど事業計画など行っていたという関係もあって、資本をKDDIから出して、モンゴル大手の通信外車に発展するなどいくつか事例がある。


海外プロジェクトは少数精鋭部隊だと思うが、企業の日tおが途上国にいくときに求められるスキルや能力は。
ーこだわらない。


・日本での仕事と違うということは
ーそれはあります。モチベーションや個人のできることによって違う。いろんなレベルの差がある。一応情報通信先行の人だが、他のひとにお願いするのもいいかなと思うし、何をお願いするかによって能力がいかせるかなと思う。
最終的に何かしらメリットなり、笑顔ということ、できればみなさんいろいろやってくれるので、一番大きいのはモチベーションだと思う。


ーいろいろな話の中で質問たくさんあったが、つけたしを。他社との違いだが、CSRをやらせてもらえているということだけでもかなり違うと思う。KDDIは合併する前国際的な通信会社ということもあり、エンドtoエンドでの品質をあげなくてはいけないので、外国の品質をあげたく、長くやっていた。そのためかなりやらせてもらっている。国際評価は、国際協力みたいな活動は成果が1年2年ででてくるものではないが、長い目でみてくると変わってくる。うちも50年以上研修生を受け入れている。外国にいったりしても、何十年前にKDDIの研修をうけましたという社長や政府の偉い方もいる。KDDIの会社を説明していなくても知っていたりと、信頼などというかなりの財産を得られているのでは。海外展開する場合に昔の肥やしが役にやっていくのでは。

経産省主催の「イノベーション・起業の新たな展開」シンポジウムに参加してきました②

こちらの記事のつづきです。


■■パネルディスカッション2「ベンチャーキャピタルアントレプレナーシップのエコシステム」■■

モデレーター:松田修一さん(日本ベンチャー学会理事)
パネリスト:安達俊久さん((社)日本ベンチャーキャピラル協会 会長) 、郷治友孝さん(株式会社東京エッジキャピタル(UTEC)代表取締役社長、アレン・マイナーさん(株式会社サンブリッジ 代表取締役会長 CEO、ジェラルド・ハネさん(バテルジャパン株式会社 代表取締役社長)
コメンテーター:ウィリアム・ミラーさん(スタンフォード大学 名誉教授)

ベンチャーキャピタリストの役割

アレンさん:ハンズオンと言い始めたのは2000年頃。ベンチャーキャピタリストそれぞれに特徴がある。ハンズオンの意味を表現するとなれば、自分がなにが得意かという哲学をきちんと持っていなければならない。日本生まれのベンチャーを世界に羽ばたくように支えたいという国際的な役割、アドバイス、ネットワーク、自分たちの経験をいかせる、国際の経験、成功と失敗から学んだことを日本の起業家に伝える。一社一社が自分たちは何が一番強みかというのを明確に持っていない。ITがわからないベンチャーキャピタリストが流行ってるからお金をばらまいたり、お金が必要なところにお金がないのに投資したりしてる。自分たちの目標と強みをきちんともつべき。組織をつくるときにきちんと役割を適材適所にいれなければいけない。ベンチャーキャピタルも自分の経営チームとして選んで、戦略的に。どういうノウハウを役員会に集めて、いろんな成長段階でどれを当てるかという戦略が必要

ジェラルドさん:日本の課題は技術を商業化に結びつけるのはどうしたらいいか、ビジネスの拡大、競争力。研究所で技術を発見したあと、ベンチャーキャピタルはあまり良い役割を果たさない。というのは、はっきりとしたビジネスプランがはっきりしたところに向いているから、研究所ではうまくいかない。プロトタイプつくってからVCに紹介するというプロセスが必要。資金が大企業に流れて小企業にいかず、エンジニアがなかなか育たない。競争力のある経営陣を持った起業を育てる。才能豊かな起業家を集めて、会社をつくる。これを再現したい。どうやったら同じようなことが日本でできるのか。良いマネジメントチームを紹介するというようなことで。もっと才能ある人たちに起業家になってほしい。

ビジネスの拡大

アレンさん:市場は低迷しているが、アジアがある。アジアに成長率、人口を考えてリスクテイクの能力とイノベーションの可能性がある。現地でパートナーをみつければ。でもマーケットを知らないので、企業とくむことになってしまう。ベンチャーイノベーターがもっとたやすくパートナーが探しやすいという状況をつくるということ。これができればWINWINの関係が作れる。いろんな試算、いろんなリソースが関わってくると思う。ビジネス化、アメリカでやる方がやりやすい。ものをつくってうらないとお金にならない。アジアでこれを商業化していく。それをお手伝いしている。成長市場で売り込みをかける。

ベンチャーキャピタル

松田さん:ハンズオンでどうするか、日本のマーケットの状況、アジアでのアメリカでの成長ゾーンもある。日本のVCがどう行動していくか。
ベンチャーキャピタル協会からみて、ハンズオンを業界がどう考えているか。グローバルというベースでのVC。日本は全てのVCがハンズオン得意というが、自分の企業が何を得意がだすべき。
ベンチャー企業は人もお金も足りないけど、お客様からの注文書が一番たりない。それをどうVCが支援するか。


安達さん:VC業界が厳しい状況であるが、本当の仕事をするVCを求めている。成功事例をもとに成長していく、逆にチャンス。ベンチャーは海外市場を最初から意識して起業する人が多い。VC的にもチャンス。こういう起業Gモデルを推進していきたい。アジアベンチャーキャピタルフォーラムを設立する、日本、韓国、台湾、韓国、シンガポール、インドでVC推進プロモーションとローカルビジネス。アジア1ヶ国で閉じたビジネスモデルでは成立しない、今まで培ったビジネスを活用したもの。資金提供+@が必要。


ミラー先生:起業家システムの展開。シリコンバレーも歴史が長く、イノベーションについてのいろんな流れがあった。盛り上がったり引いたりという波があった。アメリカでは100年前から起業家精神が始まっている。スタンフォードの学生が始めた。資金を出したのは教授陣。学長も。
技術ベースの起業家は技術ではない。技術をどう商業化するのかが問題。技術はあるから同ビジネスに展開するのかということが問題。投資をするときに決めてになるものはなにか。起業家としてはどういう質問がくると身構えたらいいでしょうか。

商業化できるかどうかの判断基準は?

安達さん:テクノロジーフォーカス。これは難しい。一番大事な点は経営者、マネジメントが人物、変化対応力を重視する。テクノロジーサクセス、but フェイル をたくさんみているので、テクノロジーだけでは危険。

郷治さん:技術なりアイデアはよくても経営経験はなかったり、経験が短い方が多い。テクノロジーのプラットフォーム性を重視する。経営陣が十分にいなくても発展可能性がかなりあり、アプリケーションに応用できる可能性があるかどうか。まずやってみよう。

アレンさん:チームを見る。CEOが優秀な人をお金がある前からどれだけ集められているか、役割に適切な人を集められているか、チームが一丸となっているか、夢とビジョンで人を集める魅力があるか。ビジネスプランをつくるために投資を求めるというのはだめ。やる気と時間があればプロトタイプは作れる。動いているプロトタイプが存在するかどうか。その商品がマーケットでうれるという実績がなくても、ぴんとくるもの。商品の延長線上にどういう展開の様子が考えられるかというリッチな会社に伸びていくことが予想できるか。商品のコアを既に作っている、ビジネスの展開具合がみこめる、経営者が最初から英語でつくっているものがある。最初からグローバルマーケットを狙っているとなおよい。戦略として。

目利き力、その多くが失敗しているが?

ハネさん:研究所のレベルではわくわくしたのが大事。技術を誰にでもだしますということ。これを商業化できるように改善したい。もっとビジネスの可能性を広げる。ベンチャーはつくらなくてもいい、ライセンスにだせばいい。バテルベンチャーズは、フロンティア的な技術を扱っている。テクノロジープッシュでいくときもある。アジアは不確実性を減らすということでローカルなパートナーとやっている。プロトタイプくらいには出してもいいけど、商業化するには、ローカルな方とやっている。

(つづく)