aimap

見た事、聞いたこと、思ったことのメモ。

「Startup Workshop」参加レポート

1月14日に行われた「Stert up Workshop」に行ってきました。Stert up Workshopは、スタートアップの経営者、エンジニア数名の有志で運営されているそうです。

講師は 株式会社はてな 代表取締役近藤淳也さん、はてなブックマーク ディレクターの長山武史さんで、「はてな」で実際に導入しているブレストと画面構成の制作のワークショップが行われました。(参考:はてな近藤淳也氏と考えるビジネスアイデアー1月14日にワークショップ開催)とても勉強になったワークショップだったので、レポートします。(長いです)

f:id:aikimu:20120211002040j:plain

事前課題

「Smart Phone × Communication」をテーマとしたスマートフォンアプリもしくはスマートフォンWEBサイトに関する新規サービスのアイデアを考えてくること。


1.どのようなサービスであるか?(Solution)/2.どのような問題を解決しようとしているのか?(Problem)/3.ほかとはどう違うのか?(Cometitor)/4.なぜ必要性があるか?(Needs)


■■チームビルディング■■

まずはペアになって自己紹介、お互いの課題のアイデアを紹介する、というアイスブレークです。これを何セットか行います。
その後はピッチトーク。先着15名の参加者が1分間で自分のアイデアを話します。
(動画)1分ピッチその11分ピッチその2

1.ピッチをした人は内容をA4の紙に書き、前に並ぶ
2.他の参加者はピッチの内容を受け、より詳しい内容を聞く
3.賛同・協力できそうな人の紙に、自分の名前を書いたポストイットをはりつける

というような手順でチームビルディングを行います。メンバーが集まらない人は、チームづくりをあきらめて他のチームにはいるという、なかなかサバイバルな感じです。

私は、インドの子供たちにカレーを奢って笑顔をもらうサービスとも迷いましたが、現実的に役に立ちそうで、面白いサービスを作れそうだなと思い、ハザードマップのアイデアを発表していた黒崎くんにポストイットをはりました。



■■グループワーク■■

さて、グループワーク開始です。チームができたら、チームごとにプレストを行い、アプリの内容を詰めて画面転移まで作成します。
まずは自己紹介。テクニカルライターとかエンジニアな方が多く、ちょっと肩身せまいなと思っていたのですが、「なんにもできないけど、きょうみあります!」という私の意見も聞いてくれました。

1.ブレスト

イデアのコンセプトを再確認した上で、ひとりひとりが必要な機能やデザインのアイデアポストイットにひたすら書き出します。
書いたポストイットを一枚ずつ出しながら内容をシェアしていきます。

f:id:aikimu:20120114173112j:plain

自分とは全く違う視点や思いもつかなかったアイデアが聞けておもしろいです。思い込みが激しくて視界の狭い私には良い勉強になりました。
私は、「ハザードマップ」→災害対策と考えていたのですが、危険な場所のアイデアは、におい、変質者、パンチラスポット、落ちそうなホーム・・・など多ジャンルにわたって出てきました。

2.画面構成

A6の紙にフリーハンドでそれぞれが画面構成を書いていきます。分担作業でなく、一人でつくります。
できたら、それぞれの画面の転移のアイデアをチームメンバーに説明します。その画面を取捨選択し、チームリーダーが一つのサービスにまとめます。
このあと、各チームリーダーが全員の前で発表を行い、コンセプトと画面転移などを説明しました。(動画)最終ピッチ
ちなみに、最終的に発表されたのは以下のようなサービスでした。

  • 24時間出会い
  • かわいい人共有
  • 落とし物共有、シェアで広まる
  • ガチ!ダイエットクラブ(デブいねボタンが面白かった。)
  • CMを作ろう、
  • 親しい友達とごはんへ
  • むちゃぶり(これはおもろーボタン)
  • SNSの投稿をスワイプで選んで厳選された投稿を
  • ありがとうログ
  • モンスポット(モンスターがいる地域へ足を運ばせるスタンプラリー的な)
  • 愚痴共有
  • デンジャーイン
  • 募金をしやすく、ブランディングと透明化
  • 空き時間で語学を学習、
  • 個人向けCRM


ちなみに、私が参加したチームデンジャーインは、パソナ賞を受賞することができました。チームリーダーは同い年なのにめちゃプレゼンうまかったです。

f:id:aikimu:20120211001814j:plain

最後に近藤さんからお話が。


■■機会があればサービスは生まれる■■

このワークショップの実質2時間でこれだけのアイデアが生まれた。こうやって機会さえあればアイデアは出せて、モノを作る設計まで考えてサービスは生まれる。機会を作っていくことでサービスはどんどん生まれていくと思う。


■■アイデアを生み出す工夫■■

イデアを出したり、形にするときに、多人数でしゃべることと、一人で考えることをはさむとアイデアが生まれやすい。ずっと多人数でしゃべると発言力がある人に引っ張られる。かといって一人だと考えが頭の中に限られる。反応やフィードバックを受けると自分の考えをブラッシュアップできるので、ひとり、多人数、ひとり、多人数とはさむといい。


■■サービスを創る上で大事にしていること■■

1.具体的な課題を解決する

人力検索はてなは、自分の父がうまく検索できなかったから、はてなダイアリーは、自分で一からブログのプラットフォームをつくるのが大変だったから作った。
今日のプレゼンと見ていても思ったが、具体的な問題がありありと見えているサービスは魅力的。こういう時に役立つっていうのを具体的に言われるアイデアは使っているところがイメージできるし、作る理由っていうのは、問題を解決するというところからスタートするものだと思う。さらに、マーケット側の理由からつくっても全然おもしろくないし、作り手側の情熱を全然感じない。そうじゃなくて、どうしてもつくりたい、こういう人を助けたいというのが一番面白いし、結局伸びるサービスというのは、そういうものだと感じている。

2.とにかくユーザーを増やす

お金の話が出てこない、ビジネスモデルとかどうなっているのかという疑問があるとおもうが、とにかくユーザーを増やすしかないと思っていた。はてなダイアリーは、これを出せばたくさんの人に使ってもらえるという確信があったが、みんなに無料で使わせてどうなるのか?という疑問があった。
しかし、ネットのサービスはユーザーを増やすことがとにかく重要で、ユーザーを増やすのは正義だという信念をもってとにかくユーザーを増やした。
最初は他社の受注でお金を稼いであるお金でサーバーを買い足していった。そのうちになんとかなるもので、アフィリエイトアドセンスが出てきて、それがブログにマッチして自社サービスでやっていけるようになった。お金がないからどうしようってブレーキを踏まなくて良かったと思っている。
人が増えるきっかけがあれば、全力で踏み切る。ネット企業をやる上ではただしいことだと思う。

3.強みを組み合わせる

人ってそれぞれ得意なものがあるので、強みをうまく組み合わせるということが組織をつくる上ですごく重要。デザインする人もいれば、企画を考える人もいれば、全体を考える人もいる。誰がえらいとかではなく、それぞれの強みを生かして、一人では作れないものを創っていく。人のできない部分を指摘するのではなく、いかに新しいプロジェクトに飛び込んできてくれた人の強みを組み合わせるか、生かせるかということ組織として成長するきっかけをつくるために大事なことだと思う。


■■世界で戦えるウェブ業界を創る■■

日本のネット業界が世界で戦えるようにならなきゃいけない。今までは海外で何が流行っているのかという新しい情報をいかに早く手に入れて日本で市場をとるかというやり方だったが、人のものをまねて小さな市場でお金儲けをしようとするのではなく、新しいものをどんどんつくって、世界に向けて戦っていく。
今はツイッターや、Facebook、同じプラットフォームで同時進行に情報が入ってきて、世界が完全に横並ぶ。みんなが同じ物をつかって知っているものから一歩抜け出せる。それは自由。その時に、方法論を変えなきゃいけない。新しい価値、ものをつくる生み出すとき、世界の人が見てもおもしろいように、ものづくりの方法論がもっと洗練されて、どんどん面白いサービスがうまれていくように研ぎすまされていかないといけない。
お互い切磋琢磨してウェブ業界を盛り上げていきましょう。
         
近藤さんの講演

何名かの方がそれぞれの視点でブログを書いていて興味深いのでご紹介します。

2012 Startup Workshopでの出来事 実際にプレゼンした参加者視点から
はてな近藤社長登場のStartup Workshopに参加して、その後一週間スタートアップについてあらためて考えた
【ゲスト寄稿】近藤淳也氏から学ぶ、はてな流「ビジネスアイディアを考える」ための3つのポイント
機会があればサービスは生まれる はてなの近藤社長から学んだこと
はてなメソッドから学んだ5つのポイント


◆最後に
今回のワークショップは50人の枠に130名の応募があったそうで、私も抽選からはずれてたんですが、主催者の方のご好意で、運営のお手伝いとして参加させて頂けることになりました。機会を下さった木下さんに感謝します!

参加する前は、超こわかったです。私エンジニアでもデザイナーでもマーケターでもないしなー。行っていいのかな、がくがくぶるぶる、という心境で、直前にはレッドブルを飲むという気合いの入れようでした。結果的にはとても楽しくて、勉強になって、出会いもあって、ということで行ってよかったです!