aimap

見た事、聞いたこと、思ったことのメモ。

日本の技術とアイデアを海外で生かす枠組み

『「膨張するアジア」”最貧国”バングラデシュ』という番組のビデオを見ました。ちょっと古いけれども。

鉄道の整備が進んでいないため、「バス」が主な交通手段となっているバングラデシュ。許可なく路上でバスチケットを販売していたため、バス停での乗り降りに時間がかかり、事故や渋滞の原因にもなっている。また、システムが確立していないため「カオス」状態なので、チケット販売員がお金を着服することも多いそうです。


そこで、エヌ・ウェーブという会社がSonyフェリカの技術を使って、日本のPOSMO/SUICAのシステムを導入しようとバングラデシュに乗り出しました。これによって、「交通渋滞の緩和」と「交通安全」に貢献、売り上げの明確化によってチケット販売員の不正を防ぐこともできるようになるそうです。実際にシステム導入後は効率が上がり、45%も売り上げがアップ。


きっかけはバングラデシュ人をたまたま雇用したから。それを、JICAの有償技術協力のスキームでパイロット事業として採択、実施に至ったそうです。


番組の中には、ICカードとリーダーが税関から数ヶ月出てこなくて事業予定が崩れたりというエピソードなんかもあって、企業の海外進出はやっぱりリスクが高いけど、海外へのインフラ輸出への公的資金の活用が進んできて、エヌ・ウェーブのような中小企業もODAの枠組みで事業を行うことができるようになったんですね。


エヌ・ウェーブは、「BOPビジネス」で押してるけど、先生がJICAの方に聞いたところ、「BOPビジネス促進の観点からの支援案件ではない」としているとのこと。もともとは、ダッカの交通渋滞について多角的な対応が必要と認識して支援を検討した外務省とJICAが渋滞緩和と経営改善のための料金効率化のプロジェクトを行う企業を公募して、応募したのがエヌ・ウェーブだそうです。


JICAの海外投融資、企業提案に対するODAの解禁、円借款の迅速化、JBICの分離独立、貿易保険の範囲拡大とか、どんどん進んできたけれど、こういう融資が受けられる枠組みが広がれば、国際協力の分野でベンチャーがぴょんぴょん出すアイデアもいろいろ実現していけそうです〜